「型枠大工」とは、建物を作る場合に土台となるコンクリートを流し込み、基礎となる枠を作る技術者のことです。
一般にはあまり聞き慣れない職種かもしれませんが、型枠大工が担うのは、建設現場において建物の基礎部分の構築に関わる、とても重要な仕事です。
ここでは、そんな型枠大工が持っておくべき資格の中で代表的な、「型枠施工技能士」について解説していきます。
「型枠施工技能士」とは、建築現場において、コンクリートを流し込む型枠の組み立て図を作成し、組み立てる技能を認定する国家資格です。
型枠大工が、経験を積み最初に取る、「入口」とも言うべき国家資格です。
「型枠施工技能士」は、厚労省が所管する技能検定制度の一種であり、都道府県職業能力開発協会が認定試験を実施しています。
「型枠施工技能士」には1級・2級・3級があり、合格すると1級は厚生労働大臣から、2級・3級は各都道府県知事からそれぞれ合格証書が交付され、「技能士」を称することができます。
「型枠施工技能士」の認定試験の受験資格は以下になっています。
7年以上の実務経験、または2級合格後2年以上の実務経験
※学歴により必要となる実務経験の年数が異なります。
2年以上の実務経験
※学歴により実務経験が不要となります。
高等学校・高等専門学校・専修学校・短期大学・大学においてこの職種に関する学科(建築学科等)に在籍している、または卒業した者
この職種に関する職業訓練課程(一定の訓練課程に限る)に在籍している、または修了した者
この職種に関し実務経験を有する者
型枠施工技能士試験には、学科および実技の試験があります。
施工法・材料・建築構造および土木構造・製図・関係法規・安全衛生(1級・2級・3級)
・1級
[実技試験]
型起こし台(合板パネル)上に基礎型枠(片側半分のもの)の下ごしらえ及び組立てを行う。試験時間は5時間30分。
[学科試験]
躯体図及び仕様等に従い、型枠加工図(下ごしらえ図)に必要な寸法・パイプサポートの位置等について行う。試験時間は2時間。
・2級
型起こし台(合板パネル)上に基礎型枠(片側半分のもの)の下ごしらえ及び組立てを行う。試験時間は5時間30分。
・3級
型枠工事作業
型枠工事の施工
1 せき板の割付けができること。
2 型枠の下ごしらえができること。
3 型枠及び型枠支保工の組立てができること。
型枠の解体 型枠の解体ができること。
「型枠施工技能士」の資格を取得しておくと、大きなメリットがあります。
学科・実技の試験勉強を通し、知識と技能に磨きをかけられるため、自己のステップアップに繋がります。
また、資格は自分の能力・技能の証明となり、業界において高い信頼を得ることができます。
国家資格を持つことで、初対面の人からも信頼されやすくなるでしょう。
3級より2級、2級より1級と、その信頼度はより高くなります。
特に、「型枠施工技能士」の1級は、型枠大工として高い能力を持っている証明となります。